渋谷──街は朝から大勢の人々が行き交っている。

 そんな街の一角にある小さな公園で、何やら揉めている青年たちの姿があった。

 1人の男性相手に、3人ほどがつっかかっている。

「集まれば勝てるとでも思ってるのかね」

「あ? なんだとてめぇ」

 185㎝ほどの長身の男が薄笑いで発すると、青年たちは目を吊り上げて語気を荒げた。

 赤茶色の髪と瞳の男は30代に入ったばかりだろうか、鍛えていることが窺える体格をしている。