鏡を見つめながら、深夜の出来事を思い浮かべた。

 あれは確かに男だった、同じ緑の瞳でもイエナさんとは違う。

 あんな冷たい目はしてない。

 そもそも性別が違うじゃないか、何を疑ってたんだ僕は!

「謝りたいなぁ」

 しかし、こうは考えられないだろうか──イエナさんは仲間で、店内の偵察をしていたんじゃないだろうか? と……

「……」

 解らなくなった。

 何が真実で何が嘘なんだろう。