それから、どう走ってきたのかは解らなかったが、アパートに戻って布団の上で立ちつくす。

「……」

 何か、とても精神的に疲れた感覚に陥(おちい)り、健吾は崩れ落ちるように眠りに就いた。


 数時間後に目を覚まし、ガックリとうなだれる。

「凄く寝覚めの悪い夢見た」

 緑の目をした金色の豹に追いかけられる夢なんて、まったく冗談じゃないぞ……重い腰を上げて洗面所に向かう。