深夜2時──自転車を押している人影が、都心のとある街角で何かを探すようにキョロキョロと頭を動かしていた。 健吾は自転車で都心まで走ってきたのだ。 あることを確かめるために── 「!」 暗い一角に目が留まる。 路地裏に目をやるがそれらしい気配は無く、あちこちを見回した。