とある都心の宝飾店の前──女性は、眼前に立つ青年にやや驚きを見せる。

「やっぱりそうなの?」

「なんの事だ」

 悲しげな目を向けて健吾が発すると『エメラルドの君』は眉をひそめて睨みを利かせる。

 その瞳の色は、やはりブルー。

「こっち」

 ここでは目立って話し合い処じゃない、健吾は彼女を別の場所に促した。

 女性は仕方なく小さく溜息を吐き出し後を追う。