朝10時──

「うおおおっ!? 寝過ぎたぁ!?」

 健吾は目覚まし時計の示す時刻を見て飛び起きた。

「何やってんだよもう~」

 頭をくしゃくしゃしながら、とりあえずテレビをつけて洗面所に向かう。

 顔を洗って歯を磨きリビングに戻ると、気になるニュースが流れていた。

「! あの宝石店……」

 映されている店には見覚えがある──昨日、エメラルドの君が入っていったお店だ。

 まあ偶然なんてよくあることだけどね。

 人が集まれば自然と犯罪件数も増える。

 僕も何度かそんな経験あるし……と着替えを済ませ、アパートをあとにした。