「も~、折角のチャンスだったのに……」

 うなだれて部屋のドアを開いた。

「邪魔さえ入らなければ上手くいってたのに」

 ……と思うのに。

 コンビニの袋をリビングテーブルに乱暴に投げ置いて、深い溜息を吐き出す。

 テレビを付け、袋からおにぎりを2つ取り出した。

「そういや明日は休みじゃん。ゆっくり彼女を探そうかな」

 独り言をつぶやいておにぎりをパクつく。

「名前知らないからどう呼んだらいいのか……。! そうだ。『エメラルドの君』はどうだ」

 うん、我ながら上手いネーミング。