数分後──出てきた彼女に歩み寄る。 思っていたより歩行速度が速くて、健吾は足早に見失わないように必死だった。 何せ、人が多くてなかなか追いつかないのだ。 背中から汗が流れてくる。 見失ってなるものか! とにかく何が何でも足を止める! でもここで声をかけたら逃げられそうだから……と、体に触れられる距離まで詰めた。