ミッドナイト・キャナル

「わざわざお詫びくれるなんて、律儀だなぁ」

 手の中の携帯を見下ろし、今までの事をゆっくり思い起こす。

 僕は、確かにイエナさんに恋をしていたと思う……男だと知ってショックだったけど、それまでは彼女に本気で恋をしていたんだ。

 スゴイ存在感なのに、どこか儚くて綺麗なエメラルドの瞳を持ったヒト。

「もうあんな人には出会えないだろうな」

 そもそも存在してなかった人だし。と自嘲気味に笑う。

「! はーい」

 玄関の呼び鈴が聞こえ、チェーンをかけたままドアの鍵を開けた。