「盗聴器の在処を教えてもらうぞ」

 ベリルは泉に睨みを利かせ玄関に上がった。

 真木氏は、ベリルが1人でいた時にモデルになる日を話していた。

 で、あるにも係わらず泉が知っていたということは、盗聴器の存在を疑うのが当然だ。

 以前、借りた部屋とは違う部屋に通される──太陽の光が心地よく差し込むその部屋は、油絵の具の匂いが充満していた。

 窓の近くにはモデルとなる人が立つのだろうか、シルクの白い布が綺麗に飾られている。

「さっそくで悪いが、服を脱いでくれたまへ」

「!?」

 健吾は体を強ばらせた、泉の目が怖いくらい吊り上がっていた。