翌朝── 「わぁー!? 遅刻ちこくチコクー!」 大あわてで家を出る。 彼にとってはいつもの朝だ。 サイフを手にしてニヤけている場合でもない、足早に駅に向かい、入ってきた電車に飛び込んだ。 「はぁ~、なんとか間に合った」 ぱたぱたと手で風を起こし、通り過ぎる風景を視界全体で捉えながら息を吐き出す。