「……そんな話が通用するとでも思っているのか」

「どうするかはお前次第だ」

 起伏のない物言いに男は躊躇した。

 そこに少しの嘘も感じられない。

「処で」

 切り替えるようにベリルが話を振る。

「泉から武器を奪ったようだが、奴が相手に出来る数を知っているか」

「! どういう意──」

 言い終わらないうちに、鈍い音とうめき声が耳に届いた。

 すぐに振り返ると、泉が武器を持った相手に容赦なく攻撃を仕掛けている姿が映る。