一般人も人質にしているのだ、これで2人とも手出しは出来ない。

「まず、おまえたちの根城を教えてもらおうか」

 青年に銃口を突きつけたまま問いかける。健吾はゴクリと生唾を飲み込んだ。

「わしの宝石を返してもらうぞ」

 しわだらけの顔を歪ませてベリルの体を触りまくる老人に、呪いの念でも送っているかのような泉の表情に健吾は身震いした。

「アルジャン」

「! ……なんだ」

 静かなベリルの呼びかけに、警戒しながら応える。