それからおよそ10分後──

「!」

 数人の足音がして居間に姿を現したのは、警備3人に腕を捕まれている青年──アルジャンはおどおどとしている青年の前に立ち、威圧的に見下ろした。

 あまりの視線に、健吾はビクリと体を強ばらせる。

 それをニヤリと見やり、通信機を手にした。

「泉がいても攻撃も進路阻止も必要ない。そのまましたいようにさせてやれ」