しばらく空を見上げた健吾は、
「さてと……ゆっくりしてる場合じゃないね」
伸びをして椅子に腰掛けた。
そのとき──
「な、なんだね君たちは!?」
「?」
ドアの向こうから聞こえる家主の声と数人の足音、そのすぐあとに健吾のいる部屋のドアが勢いよく開かれた。
「!?」
驚いて立ち上がる彼を5人ほどの男たちが囲み、睨み付けながら見下ろした。
「大人しく来い」
「!」
健吾は、発した男の顔に見覚えがあった。
確か足を撃たれたはずだが、スーツの上からでは窺い知れない。
健吾は逃げられない事を悟り、小さく溜息を吐き出してうなだれた。