「……」

 健吾は、画面を見つめて呆然としていた──そこに映し出されている影の数に言葉が出ない。

「相手はこれ……気がついてるのかな」

 考えながら立ち上がり、開いた窓から空を見上げる。

 心地よいそよ風が、青年の頬を優しくなでていく。

 まだ11時を回った空は晴天で、うたた寝でもしてしまいそうなほどの陽気だった。

「……」

 コーヒーカップを手に持ち、まどろむように目を細める。