<奴の動きに注意していてくれ>

「解りました」

 ベリルの指示に応え、コーヒーをひと口含んで画面を見つめた。

 他の場所も流して見ているが、相手はかなり慌てているように感じられる。

 あのサイレン手榴弾は最高だったな……と笑みをこぼす。

 約20m離れたここまで音が聞こえていた。

 あれだけの音なら、そばにいた人は飛び上がるほどビックリしたんじゃないだろうか。

 大人でも、軽くかくれんぼ出来そうな大きさなのは見取り図を見ても解る。

 そんな敷地に猫が2匹入り込んだようなものかも。

「猫よりも厄介だけど」

 と口の中で発して、自分の作業に専念した。