「ひゃ~……凄いなぁ」

 健吾は、ディスプレイを見つめて感嘆の声を上げた。

 作戦開始、早々にベリルのカメラが突然ぐるりと回転して酔いそうになったけど、外のカメラに目を向けて何が起きたか理解した。

 あっちこっち見ないといけないから追うのが大変で、シミュレーションの時とは比べものにならないくらいの情報量が駆けめぐる。

「た、大変すぎる~」

 全部を伝えようとしなくていいって言われてても、これじゃあただ見ているだけになりそう。

「! あ……」

<どうした>

「アルジャンて人が居間にいる」

 ベリルの声に応えてディスプレイを確認する。

 由三郎のそばを離れないだろうという彼の推測通り、男は居間の前の通路で指示をしているようだった。