正門──

「!」

 大賀邸の前にいた警備の男たちが、まっすぐこちらに向かってくる人影に眉を寄せる。

 10m先で立ち止まった青年は、無表情でこちらを見つめていた。

 特徴からしてベリルだと確認し、男たちは身構える。

 ベリルはその様子を見やり、ヘッドセットを装着した。

 締め切られた門の外に2人、中に3人いる事が窺える。

「決行」

 静かに口を開いた。

<アイサー>

<は、はい>

 2人の応答のあと、足を速めて一気に正門に向かう。