泉はカーゴパンツ、ベリルはストレッチ素材のジーンズを履きその上には前開きの半袖シャツにベストを合わせている。

 ファッション制は高いが、一般人が着ているようなものじゃない事は健吾にもなんとなく解った。

「時刻合わせ」

 ベリルが発すると、泉は自分の腕時計に目を移す。

「5、4、3、2、1、チェック」

 青年は同時にボタンを押して時刻を合わせる様子を眺め壁の時計に目をやると、すでに10時に近かった。