「ん……。はあぁっ!?」

 健吾はガバッ! と顔を上げた。

 いつの間にか寝てたぁ!?

 彼の寝顔を見ているあいだに、ソファの肘掛けにもたれて寝てしまったようだ。

 部屋を探しに行ったのだろうか、その彼の姿はとうにない。

「なにやってんのかな僕……」

 溜息を吐いて、ふと気がつくと肩に毛布がかけられていた。

 夏といってもそろそろ終わりに近づいたこの時期は、冷える事もある。

 この優しさを女性の、しかも恋人からもらえたら──!

 健吾は1人、頭を抱えて唸った。