数時間後──健吾は目をこすりながらリビングに戻ってくる。

 ソファで眠っているベリルを見つけて静かに近寄った。

 この部屋にはもちろんベッドが2つあるが、彼もつい眠ってしまったのだろう。

 そう思うとなんだか少し嬉しかった。

 人としての普通の部分が見える、ということが嬉しいというのも変な話ではあるのだけれど……それほどに、自分とはかけ離れすぎている彼のこういう姿に安心感を覚える。

「……」

 それにしても綺麗だよなぁ、と寝顔を見下ろす。

 さすがに化粧をしていない素の状態で女には見えないんだけども、ふとドキリとする時がある。

 なんて言えばいいのだろう、中性的な魅力とでもいうのだろうか。

 こう、ゾクリとする一瞬があったりする。