「まったく。見た目に似合わずお優しいこって」

「どういう意味だ」

「……」

 ああ、そういうんだ……健吾は2人をぼんやり見つめて、何故か納得した。

 金銭的な価値だけで、仲間の命を危険に晒すことは彼にとって許し難いことなんだ。

 それが解ってるから、泉さんも引き受けた。

 僕は、彼らの関係がとても羨ましく思えた。

 だから、その輪に入れない自分がとても寂しかったんだ。

 入れる訳が無いのは当たり前だけど、それでもそれに触れていたかった……それを感じられる距離にいたかった。

「本当に僕でいいの?」

 見上げる瞳にベリルは無言で頷いた。