「いや、ホントに。何か変なこと考えてるとかじゃなくて、純粋にお礼がしたいだけなんだ」

「いらん」

 ようやく聞こえた言葉に、女性にしては少し低めだなと小さく微笑む。

 こういう声の方が彼女には合ってるよね……と、声を聞けた事に心中で歓喜していた。

 しかも、返ってきた言葉が日本語ときた日には

「会話が出来る!」と心が躍る。

 整った顔立ちは魅惑的というか妖艶な瞳というか、とにかくどうしようもなく美人だ。