「真昼はお互いにメリットがある」

 低い声で発しニヤリと笑みを浮かべる。

 青い瞳に隠れた狂気が老人にも伝わったのか、同じく口の端を吊り上げた。

「わしの物を盗む不届き者には、おしおきが必要じゃからな」

 あご髭を丁寧にさすり、ギラついた目で発する。

「奴なら充分に楽しめるでしょうね」

 さして似合うとは思えない口調で男は応え、サンドカラーのミリタリー服に仕舞ってあるタバコを取り出す。

 胸ポケットからメンソール系の細いタバコを太い指で上手く取り出し、ジッポライターで火を点けた。

 一度、煙を吸い込んで再び老人に目を向ける。