「アンノウンてなんですか?」

「相手が特定出来ない場合に用いられる言葉だよ」

「そのあとにかけた相手は?」

「相手を特定してもらうため要請した」

「情報屋みたいなやつ? テレビでよくあるような」

「テレビほど簡単な組織ではないがね」

 小さく笑みをこぼした。

 静かで起伏のない物言いは、なんだか子どもを諭しているようにも感じられる。

 それが心地よいと思えるのが不思議だ。