ミッドナイト・キャナル

「傭兵を知っているか」

「!? 傭兵? 傭兵って雇われて戦争する人でしょ?」

「それだけでは大した稼ぎにはならんよ。人により受ける依頼は異なる」

 淡々と述べられる言葉に、妙な違和感を覚える。

 日常では決して聞く事の出来ない世界のためなのは解っていても、顔をしかめずにはいられなかった。

「その傭兵がなんで泥棒なんかしてるの?」

「我々が受けた依頼の内容は『形見の奪取』だ」

「!」

 その宝石は亡き父の形見で、彼女はそれを売るつもりは無かった。