ミッドナイト・キャナル

「相手も構えてきたか」

「え?」

 手にある携帯を見やり、再びどこかに電話をかけ始めた。

「うむ。unknown(アンノウン)だ。こちらで正体を突き止める。続行してくれ」

「? アンノウン?」

 問いかける青年を一瞥して、さらに電話をかける。

 少しムッとしたが、話せない以上はそういう態度に出るしかないんだろうと理解しつつ視線を外した。

「ベリルだ。尚人(なおと)を頼む──探してもらいたい相手がいる。おそらくナイトウォーカー、年齢は40前後。ドイツなまりがあるアメリカ英語だ。うむ、頼む」

 携帯を閉じてバックポケットに仕舞い、ソファに腰掛ける。