そう言って遥灯は、病室を出て行った‥。

椎奈はまだ起きない‥。

そして今、俺と舜斗さん、二人っきり‥。

沈黙の中、先に口を開いたのは、舜斗さんだった‥。

「‥ごめんね‥」

「いえ‥」

「俺も‥いや、俺の元カノも、しぃと同じ体験してるんだ‥」

「‥へ?」

「俺が中学ん時、付き合ってた子がいてね?‥その子とは一年近く付き合ってた」

「・・・」

「一年近く付き合ってたある日、その子は俺を好きだった子達に、落とされたんだ‥階段から‥」

「‥もしかして」

「うん。‥しぃと同じところ‥」

「‥!」

「それから彼女はしぃと同じく、俺だけの記憶がない。‥いや、しぃとはちょっと違うか‥しぃは別れてたけど、俺はまだ付き合ってたから‥」

「‥それからは?」

「会いに行ったよ‥けど、彼女も男嫌いになってて‥俺も拒絶された‥」