それは去年のこと、椎奈は一個上の先輩と付き合ってて、椎奈はその先輩のことが大好きだった。


―‥ある日、椎奈が先輩に振られたの‥。

先輩は高校生で椎奈は中学生‥。先輩が距離に耐えられなかったらしい。


椎奈は落ち込むのかと思ったら、逆に元気だった。

正確に言えば、空元気‥。

後から聞けば、『仕方ないよ‥』って、寂しそうに笑ってた‥。


あの空元気は、椎奈なりの気遣いだったんだってわかった。


それから、椎奈は引きずる様子も見せず、いつも通り過ごしていた。