――… 陽が傾きかけて、空はすっかりオレンジ色になっていた。 「シュウちゃん、もう帰った?」 私は独り言を呟きながら、シュウちゃんの家の方角を見つめていた。 帰る間際、純也くんから聞いた話しに、涙が止まらない。 「杏ちゃんが貧血になった日、あいつ心配して保健室まで行ったんだよ」 だって、シュウちゃん、サボリって言ってたじゃん…。