…うん、見えるわ。


ハルトと、好きな女の子と、
その間に、可愛い赤ちゃんが。



幸せそうに笑ってるハルト。


ああ、よかった。



そこに、アタシはいないけど、

幸せよ、アタシも、とっても。



幸せ。






「…ココア、ココア」


どれだけ眠ってたかしら。


何度もアタシを呼ぶ
ハルトの声に目をあけた。


まぶたがとても重くて
またすぐ閉じてしまう。



でもダメ、起きなきゃって
思った。


ちゃんとハルトの顔を
見ておかないと、って。



ハルト、いつの間に
シャツを着替えたの?



それともアタシ、
ずいぶん長く寝ちゃってた?


アタシの手の中には、
まだショールがあったけど

ハルトはもう取り上げようとは
しなかった。



「よかった、目がさめて。
お前昨日からずっと
眠ったままで…
心配してたんだ」



昨日から…。