「智美(さとみ)、まーた"ペン"見てる」


1月下旬の1年B組。


寒さ対策の為に膝掛け用ブランケットが女子の間で主流となっている冬真っ只中。



私もミニーちゃんのピンク色のブランケットを膝に掛けながら皆同様、自習時間に友達とお喋り。




斜め後ろにいる友達がわざわざ私の席の隣まで椅子を持ってきて、話しやすい体制を作ってくれたのだ。





彼女の名前は、岡島若菜。


身長が167cmもあるモデル体型で只今絶賛モテ期の黒髪さらさらロングガールだ。


ちなみにかなりの面食いだから、モテ期のくせに告白を総無視するという愚行を週一単位でしている。





中学三年の時に同じクラスになって息投合し、高校も同じ高校を受験し嬉しいことに高校に入ってからもクラスが同じ。





多分、私達は世に言う親友と呼べる仲だと思う。



けど、若菜がそう思ってくれてるか分からないから友達に留めておく。




そんな若菜は私の机に片肘を立て頬杖をつきながら、発した言葉をそのまま表情に乗せる。



"またか。"


そんな顔。