「そうなのよ! 『さすが俺の明日香だ』みたいなこと言っちゃって。 現役のメンバーはみんな、奈良坂と栞が付き合ってることは知ってるじゃない? だから、周りは冷ややかに見てるんだけど、村上先輩、全然空気読めないみたいで……、 って、ちょっと、奈良坂、まだ私の話、途中!」 それだけ聞けば、十分だ。 俺は、菊地をその場に残して、ドアの中に入っていった。 ザワッ。 入ったとたん、注目を浴びる。 まぁ、部外者だし、それでなくても、俺、目立つからな。 そんなことは、今さら気にしない。