金髪王子2


「ちょっと奈良坂、遅い!
早く栞のとこ行って、村上先輩を黙らせてよ!」


ドアの外に出てくるなり、菊地は俺に八つ当たりしてくる。


なんで、俺が怒られなきゃならないんだよ。


でも、思ったとおり、栞の横にいるのが村上先輩らしい。


「アイツ、なにしゃべってんだよ?」


「内容はたいしたことじゃないのよ、今日の演奏は素晴らしかったとかなんとか。
ただ、なんか知らないけど、もう栞のことを自分の彼女みたいに言うから、聞いててムカムカしちゃって!」


「彼女みたいに?」


どういうことだ?