素知らぬ風を装い、せきばらいしたり、足を組み替えたり。 ポリポリ頭や首をかいてみたりするけど、今のは、ごまかしきれてない……よな? あーーー、まいった。 気まずい……。 栞が、俺の様子をちらちらうかがってるのが、左側からビンビン伝わってくる。 あー、すげぇ、後ろめたい……。 「えっと……そろそろ行こうか?」 栞の方から、声をかけてきた。 いつもは、それ、俺のセリフなんだけどな。