でも、なんだか今は声をかけづらいな。 そうだ、まだ片付け途中だったんだ、荷物、カバンにしまおう。 私が帰り支度を済ませる頃には、大輔くんの表情はおだやかになっていた。 よかった。 ホッとして、一緒に音楽室を出ながら、話かける。 「あの、大輔くん? 綾音の話、あんまり本気にしないでね? 村上先輩、私のことなんて、なんとも思ってないかもしれないし」 「ん、あぁ、わかった」 そう言いながらも、大輔くんはちっともわかったって顔じゃない。