「明日香もそう思うよなぁ? だからさ、あんなヤツとは、さっさと別れた方がいいよ。 明日香には、もっと似合う男がいるはずだから。 じゃぁ、またな」 「あ、はい、お疲れさまでした」 ……行っちゃった。 大輔くんのこと、ちゃんと村上先輩に教えてあげられなかったな。 なんだか上機嫌で手を振りながら音楽室を出て行く先輩を、呆然と見送っていると、綾音が肩に手をかけてきた。 「あーぁ、まったく。 栞、気をつけなさいよ!」 「え? 気をつけるって、なにを?」