【栞side】 「「ありがとうございましたー!」」 管弦楽部の合同練習が終わり、楽器を片付けていると、帰り支度を済ませた綾音が、声をかけてきた。 「栞、一緒に帰ろ?」 「うん! すぐ片付けるから、ちょっと待ってて?」 「わかった、ゆっくりでいいよ」 「ありがと」 綾音に微笑みかけ、荷物をカバンにしまっていると、綾音の隣に人が立つ気配。 顔をあげると、OBの村上 孝大(むらかみたかひろ)先輩だった。