「ねぇ、今日でお別れなのに、こんなに早く帰ってきちゃって、ホントによかったの?」
帰りの電車の中で、大輔くんに聞く。
「もちろん。
あれ以上いても、特に話すこともないし」
「そっか……」
たしかに、食事中、よくしゃべっていたのはカール王子だけで、
お母さんも大輔くんも、あいづちを打ちはするけど、それだけって感じだった。
「初めて会った中1のとき以来、ずっと会ってなかったんだ。
これからも会うつもりはなかったんだけど、これが最後だっていうから、しかたなく会うことにしたんだ」
「ふぅん、そうだったんだ……」


