「はい、どうぞ」 私たちの前にカップを置いてくれると、森さんも差し向かいに座った。 準備室の中に入るの、久しぶり。 でも、前に来たときと、なにも変わってないな。 周りの本棚には、修理予定の本や、新しく入った本が並んでいる。 テーブルの上にも、森さんが作業中だったらしい本が積んである。 静かな部屋で本に囲まれていると、気分が落ち着く。 「いただきます」 一言つぶやいて、カップを口に運ぶと、紅茶のいい香りが鼻をくすぐった。