どうやら、俺の願いは神様に届いたらしい。 電車は、まもなく栞の家のある野川駅に到着した。 いつもの公園まで、黙って歩く。 口を開いたら、感情があふれそうで。 公園に着くと、栞をベンチに座らせ、自分もその右に座った。 公園にひと気はない。 ほっとため息をつき、俺は、つないでいた栞の手を持ち上げて、そっと口付けた。 栞はピクンと肩を震わせたけど、嫌がってるわけじゃなさそうだ。 俺は、栞を見つめて口を開いた。