「だったら、うちの図書館情報科と、北山学園の文学部と、どちらが栞にとってふさわしいのか、ちゃんと聞いてこい」 「はい」 「俺は、聖慶大は自分の大学だし、いい大学だと思ってはいるけど……」 そう言って、高部先生は大輔くんの方を見る。 ん? 大輔くんがどうかした? 棟の大輔くんは、きょとんとしている。 すると、先生はニヤッと笑って、私に顔を近づけ、ささやいた。 「北山学園にした方が、大輔は喜ぶ」