放心した私を見かねたのか、高部先生が大輔くんに聞いている。 「まだ、内部推薦の希望締め切りには間に合うんだろ?」 「あぁ、最終希望は10月提出だから、まだ間に合う」 「栞?」 高部先生に呼ばれ、顔を向けた。 「担任に、司書課程のこととか、聞いてないんだろ?」 「はい」 「だったら、一度、話を聞いた方がいい。 今の担任は、ちゃんと相談に乗ってくれそうなヤツか?」 「はい、進路指導の担当も兼ねてますし、いろいろ教えてくれると思います」