だけど、私の気持ちとは正反対に、村上先輩はさらに私の方に顔を寄せてくる。 「そのあとは、通称D号棟って言うんだけど、文学部のゼミ室が入ってる棟も案内してあげるね」 「はぁ……」 先輩の顔をよけるように体を引いて、愛想笑いを浮かべる私。 一方、先輩は、なんだか意味深に微笑んでいる。 ゼミ室って、なにか特別な教室なの? ゼミって、少人数で専門的な議論をしたりする授業のことだよね? べつに、そんな特別な仕掛けのある教室でもないと思うんだけど。 あ、そういえば……。