そのとき、センセーから電話が入った。 『もしもし? 栞、見つかった?』 勢い込んで聞くと、電話口からは冷静な声。 『いや、まだだ。 今、そっちに向かってるから、その間におまえ、正門入ったとこの守衛室で、入場許可証もらっとけ。 経済学部4年の高部に会いに来たって、言っとけばいいから』 『わかった』 俺は言われたとおり、守衛室で手続きをして、許可証をもらった。 それを首からかけていると、銀縁メガネの背の高い男が、向こうから走ってくるのが見えた。 高部センセーだ。