――ゾクッ。 えっ、なんか、やだな……。 さりげなく、村上先輩の手から逃れ、目に入った階段を指さした。 「あの、先輩、2階は何があるんですか?」 「ん? ああ、書架がたくさんあるだけだよ。 上も見てみる?」 「はい、是非お願いします!」 私は、さも2階に興味があるフリをして、また先輩に先導してもらうように、一歩後ろに下がる。 私が距離を取ると、先輩はちょっと不服そうな様子を見せたけど、すぐにまた先に立って歩き出した。 フゥ……、よかった。