「妬くなって。 今日は見学に付き合ってるだけ。 今度うちを受験するって言うからさ」 ええーーーっ? 先輩、私は彼女じゃないって、否定してくれないの? 戸惑う私をよそに、村上先輩は私の肩に手を乗せてきた。 お友達は、ますます口笛を吹いたりして、冷やかしてくる。 「見学かぁ、いいねぇ。 もう教室の方は行ってきたのか?」 「いや、このあと行くつもり。 階段教室とゼミ室も見せてやろうかと思って」 村上先輩がそう言うと、お友達ふたりは意味ありげに顔を見合わせた。