驚いた拍子に、やっと俺の目を見た栞に、微笑みかける。 「わかったから」 さっきの、きっと、俺が一緒に帰ろうって誘ったときから、用意してたセリフだったんだろうな。 一生懸命話す栞が、見ていて痛々しいくらいだった。 それに、栞なりに、悩んで決めたことなんだろう。 それだけ、真剣に受験に打ち込もうっていう気持ちも、伝わってきたし。 だったら、俺にできることはひとつだけ。 じっと、待つ。