「受験が終わるまで、恋愛はお預けにしようと思って」
「え?」
恋愛はお預け?
どういうこと?
「あの、今もほら、私が男の人が怖くなっちゃってから、一緒に帰るのやめてもらってるから、今とあんまり変わらないと思うんだけど。
その、一緒に帰るのも、デートも、メールも、電話も、しないでおこうと思うの。
今の私の成績だと、聖慶、ちょっと厳しくて、でもどうしても司書になりたいから、頑張りたいから。
だから、あの、大輔くんには申し訳ないんだけど、受験が」
「わかった!」
栞が機関銃のようにしゃべるのを、俺はさえぎった。
「え?」


